2017.10.06

定番のグレーとベージュどっちの着まわしが簡単?

グレー+グレー(トップス fifth 1,990円)画像:WEAR
●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」34 by小林直子●

◆Q.グレーとベージュはどちらが簡単ですか?

街でグレーとベージュをよく見かけるのですが、どちらの色が扱いやすいのでしょうか?

◆A.グレーのほうが簡単です

ここで言う簡単は、どちらがより使えるか、コーディネートしやすいか、買いやすいか、ほかの色と合わせやすいか、などという意味でしょう。では順番に説明していきましょう。
グレーとベージュ、どちらが簡単かと聞かれれば、グレーのほうが簡単であると答えます。なぜなら、グレーは白と黒を混ぜてできた、ニュートラルな色だからです。絵具で色をつくる過程を思い出してみてください。
もしグレーが絵具のセットになかったら、黒と白を混ぜ合わせてつくるでしょう? 白が多ければライトグレー、黒が多ければチャコールグレーなどとなっていきます。白、黒、そしてグレーもニュートラルな色なので何色とでも合わせられます。赤でも青でも黄でも緑でも、なんでも構いません。
一方、ベージュは絵具だと何色を混ぜてつくるでしょうか? 茶色に白でベージュになります。そして茶色は赤と緑を合わせればつくれたと思います(黄土色に近いベージュはそこに黄色を足します)。
生地の染料と絵具は同じではありませんが、色をつくるときにグレーよりベージュのほうが構成する色の要素が複雑ですよね。そのため、ベージュには赤みが強いもの、黄色みが強いもの、明るいもの、暗いものなどバリエーションが多くなります。つまり、何千種類ものベージュがあり、その数はグレーよりはるかに多いのです。

◆グレーは構成要素が単純

グレーは構成要素が白と黒で単純ですから、ブランドAとブランドBのグレーを並べても、さほど違和感はありません。あるのは、暗いか、明るいかだけです。
しかしベージュは、ブランドA、ブランドB、ブランドCのベージュすべてが似ているようで似ていないことがほとんどです。それがベージュは難しいとされる理由です。
ベージュ同士できれいなコーディネートをつくるためには、基本的には同ブランドのもので揃えないと合いません。例えばジャケットとスカートを別ブランドのベージュにすると、その色の合わない感じが逆に目立って、ずれた感じが何となく変に見えてしまいます。ですからベージュのアイテムを2点以上、組み合わせるときは注意が必要です。本当に合っているか、できれば太陽光の下で確かめましょう。同じベージュだと思っていたものでも、結構違う色みのことが多いでしょう。
そのほかの色についても、絵具では何色によって作れるか考えると、扱いが難しいかどうかわかります。たとえばネイビーは青+黒なので、そんなに難しくはありません。

◆ベージュと他の色を合わせるなら何色がいい?

では、もう既にベージュのものをたくさん持っている場合は、どうしたらいいのでしょうか?
まずひとつは、違うブランドのベージュを合わせず、それ単体で使うこと。例えばベージュのパンツを持っているのなら、ほかのブランドのベージュのシャツやジャケットは合わせないようにすることです。つまり、全体のコーディネートのなかでベージュのアイテムはひとつだけとなります。
次に、ベージュ単体に何色を合わせるかですが、それはベージュを構成する色を思い出すといいでしょう。さきほど説明したベージュをつくるための絵具の色――赤、緑、白はベージュと相性がいい色、ということになります(黄土色に近いベージュはこのほか黄色も相性がいい色です)。
もちろんそのほかの色を合わせていけないわけではありません。けれども、ある色に何色を合わせればいいかわからなくなったときは、白からグレー・黒のニュートラルカラ―か、その色を構成していた色を持ってくると簡単に色合わせができると覚えておくといいでしょう。

転用元/グノシー
https://gunosy.com/articles/aFR9L